ツール一覧

Python には pip や venv 以外にも開発で使用するツールが多く存在しており、ネットで調べるときに混乱することが多いです。 そこでどんなツールが使われているのかを整理して解説します。

ネットで検索して見つかる Python ツールは、おおむね次の 3 つに分類されます。

1. Python 自体のバージョンを管理する
2. 仮想環境を管理する
3. パッケージやパッケージ間の依存関係を管理する

ツールによっては 2. と 3. の両方をサポートするようなツールもあるため、どういうシーンで利用すればよいのかがわかりにくいところがあります。

ネットで検索して見つかるツールには次のようなものがあります。

ツール	Python バージョン管理	仮想環境管理	パッケージ管理	依存関係解決	ロックファイル生成	パフォーマンス	備考
pyenv							Python のバージョン管理
venv							Python 標準ライブラリ
virtualenv							venv で代用可能
pip							Python 標準のパッケージ管理
pip-tools							requirements.txt 強化
pipx			（グローバル）				CLI ツール専用
pipenv							遅いため最近は非推奨気味
poetry							近年の推奨ツール
rye							試験的だが統合ツールとして注目
uv		（内部で管理）					pip-tools の超高速代替

どのツールを使うべきか

どのツールを使う場合でも requirements.txt は生成しておくのがベターです （どのツールでも生成コマンドが用意されています）。 requirements.txt があれば、Python の標準機能である pip を使ってパッケージのインストールができるようになるためです。

requirements.txt さえ生成していれば、どのツールを使ってもよいですが、使い分けのおおまかな方針は次のようになります。

シンプルな開発

• venv + pip （標準機能）
• pip-tools （依存関係を固定したい場合）

より便利な管理を求める場合

• poetry （仮想環境＋パッケージ管理）
• pipx （CLI ツール管理）

最新のトレンドを取り入れたい場合

• rye （統合環境管理の試験的ツール）
• uv （超高速なパッケージ管理）

Python のバージョン管理をしたい場合

• pyenv （複数の Python バージョンを使いたい場合）